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おかえり、はやぶさ

 「おかえり、はやぶさ」は「宇宙体感の3Dで贈る、機械と人の冒険の旅」をキャッチコピーに制作された映画で、映画大手3社(20世紀フォックス・東映・松竹)の競作の3番目の作品です。それまでの2作と異なり、3Dで制作されたことが大きな特徴です。

監督は『釣りバカ日誌』シリーズや「ゲゲゲの鬼太郎」などで知られる本木克英監督が手掛け、出演は藤原竜也、杏、三浦友和さんらが演じました。

他の2作が実際の登場人物を元に脚本を書いていることに対して、松竹版の「はやぶさ」は父と子、家族の絆というフィクションの物語をうまく「はやぶさ」のプロジェクトに絡ませている家族ドラマに仕上げている事で、先行した2作との差別化を出している事が特徴です。

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 映画大手3社が競作した「はやぶさ」映画の第二弾が東映60周年記念作品となった「はやぶさ 遥かなる帰還」です。この映画はノンフィクション作家・山根一眞のベストセラー『小惑星探査機はやぶさの大冒険』を原作に、「犯人に告ぐ」「星守る犬」の瀧本智行監督が、渡辺謙さんを主演に迎えて制作されました。

渡辺謙さんは、俳優として主演しただけではなく、映画の製作から公開までのプロジェクトマネージャーとしても兼任されています。

撮影場所には、実際の「はやぶさ」打上げの地、鹿児島・内之浦宇宙空間観測所や、カプセル降下地点のオーストラリア・ウーメラ砂漠などで行なわれ、忠実に再現されています。そして最新鋭のVFX技術で再現される深宇宙は圧巻の映像を作りだしています。

 

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  小惑星探査機「はやぶさ」の帰還を受けて、映画大手3社が相次いで「はやぶさ」を題材とした実写映画を制作しましたが、本作はその第1弾となった作品です。「はやぶさ」を題材とした映画は他に『はやぶさ 遥かなる帰還』、『おかえり、はやぶさ』が製作されています。

当時、国際宇宙ステーションに滞在していた宇宙飛行士である古川聡を最初の観客として、「史上初の宇宙試写会」という触れ込みの元、衛星回線を使用して本作の試写会を行うという話題作りが行われました。公開初日3日間で興収1億280万2,800円、動員9万5,351人になり映画観客動員ランキングで初登場第5位となるほど話題を読んだ作品でした。

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「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」帰還バージョンは、2009年に公開された「HAYABUSA BACK TO THE EARTH」を本編はほぼそのままに、ラストの大気圏突入シーンを新たに描き起こしたものです。2010年6月13日にはやぶさが帰還し、オーストラリアでその帰還を目撃した上坂監督が「真実の姿により近づけたい」という想いを乗せて、新たなシーンを追加して完成させたものです。

DVD/Blu-ray版にはさらに、一部のプラネタリウムで放映されていたショートバージョンや、ナレーション・EDテーマを歌った歌手・JAXAの川口さんのインタビューや、はやぶさ帰還の実際の映像などの特典が入っています。

私の個人的な意見ですが、「はやぶさ」関連の映像の中でこの一本は絶対に見逃せない作品です。「はやぶさ」が世間で騒がれ始める前からこの作品は完成されていました。上映時間は45分と少々短く感じられますが、内容は他のどの作品よりも詰まっています。

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Hayabusa

地球から遥か彼方にある小惑星イトカワに到着して岩石サンプルを持ち帰るという、世界初のミッションに成功した小惑星探査機 はやぶさ に多くの日本人は感動させられました。

はやぶさはミッションの間、幾度もの重大なトラブルに見舞われ、まさに満身創痍ながら任務を果たしました。しかも7年間60億キロの宇宙大航海を終え、自らの使命を終えた後に、大気圏の中へと燃え尽きていきました。

この感動の小惑星探査機「はやぶさ」をめぐる映画が4本製作されています。1本目は角川映画系配給で公開されたドキュメンタリー「はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH」、2本目は20世紀フォックス映画配給の「はやぶさ HAYABUSA」、3本目は東映系「はやぶさ 遥かなる帰還」、そして4本目は松竹系「おかえり、はやぶさ」です。

このブログではそれぞれの映画の感想と、見どころを紹介したいと思います。

「はやぶさプロジェクト」の概要

 まず、そもそもはやぶさプロジェクトとは何だったのでしょうか? 探査機はやぶさは、工学実験を行うために開発が行なわれ、その目的は小惑星を探査し、将来の本格的なサンプルリターン探査に必要な技術を実証することにありました。

「はやぶさ」が探査した小惑星は、日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで「イトカワ」と名付けられた小惑星でした。「はやぶさ」は、イオンエンジンを使ってイトカワまで飛行し、自律的に小惑星に近づき、その表面から物質のサンプルを持ち帰る計画が立てられました。

小惑星のサンプルリターンは世界初の試みでした。小惑星のような始源天体から回収されたサンプルを分析することによって、太陽系の起源を知る手がかりを得ることができるかもしれないという期待が込められました。回収される試料がたとえ少量であっても、その科学的意義は極めて大きいといえました。

2003年5月9日に打ち上げられた「はやぶさ」は、2005年9月12日に小惑星イトカワに到着しました。そして、2005年11月にイトカワへの着陸に成功しました。ところが、その後、燃料漏れやエンジン停止、音信不通などさまざまなトラブルがおきます。何度も帰還が危ぶまれましたが、「はやぶさ」はそのトラブルを克服し、2010年6月13日にオーストラリアの砂漠に着陸しました。「はやぶさ」は、約60億キロの旅を終え、7年ぶりに地球へ帰還したのです。帰還カプセルからは、小惑星イトカワの微粒子が発見され、その分析が進められています。「はやぶさ」は、月以外の天体に着陸し、そのサンプルを持ち帰った世界で初めての探査機で、世界的に高く評価されています。

 

小惑星イトカワとは?

 

イトカワは、1998年にアメリカ人によって発見された、近地球型小惑星に分類される天体で、日本のロケット開発の父、糸川英夫博士にちなんで名付けられました。

イトカワは火星‐地球軌道を横断する楕円軌道を持っていて、地球からの距離は、地球軌道と交差する近日点では1億4256万km、火星軌道と交差する遠日点で2億5356万kmにも及ぶ、遥か遠い彼方に存在する楕円形の小惑星です。

イトカワは平均半径が約160メートル、長径500メートルあまりしかない小天体であり、これはこれまで惑星探査機が探査を行った中で最も小さな天体でした。

イトカワは細長い形状をしており、長軸の約3分の1のあたりでくびれがあり、さらに大きく屈曲しています。くびれの頚部は幅約60-120メートル、深さ約20メートルの溝状となっています。

この小惑星がイトカワと名付けられた経緯ですが、宇宙科学研究所が、はやぶさが打ち上げられた後で、はやぶさの目的地である小惑星に日本のロケット開発の父・糸川英夫の名前を付けるように、命名権を持つ発見者のLINEARに依頼したことが切欠となりました。LINEARはこれを受けて国際天文学連合に提案、2003年8月6日に承認されて「ITOKAWA」と命名されました。

 

はやぶさのイトカワ観測の経緯

はやぶさが地球を出発してから2年余りが経過した2005年7月29日、イトカワがあると考えられる方向の撮影が行われました。イトカワはとても小さな天体であるため、探査機が通常用いる地上からの電波を利用する軌道決定法に、イトカワを撮影した画像からの光学情報を加味して、高精度の軌道決定を行うことによって、はやぶさは正確にイトカワへ向かうことが可能となりました。

2005年9月12日、はやぶさはイトカワから約20キロメートルのゲートポジションに到着し、イトカワの観測を開始しました。その後9月20日には約7キロメートルのホームポジションへ進み、そして10月8日から30日にかけて、ホームポジションから東西南北の各方向や高度3-4キロメートルの低高度へ移動しながらイトカワの観測を続けました。

2005年11月に入ると、はやぶさは小惑星表面の物質のサンプルリターンを試みることになりました。11月4日の初回の降下リハーサルでは、当初予定していたイトカワ表面への降下誘導方法が上手く機能せず、イトカワ表面から約700メートルの場所で中止となりました。続いて2度目のリハーサルは11月9日に行われ、降下誘導方法の改良が試験されました。11月12日には三回目のリハーサルが行われ、近距離レーザー距離計の較正、そしてイトカワへの着陸を行うために新たに考案された航法のテストが行われ、さらにホッピングロボット「ミネルバ」の放出が行われました。しかしミネルバはイトカワへの投下に失敗し、ミネルバによるイトカワ表面の観測は行うことが出来ませんでした。

2005年11月20日、はやぶさはイトカワへの着陸を試みました。この時はやぶさは着陸寸前まで順調に航行していたが、着陸寸前にイトカワ表面に障害物があることを検知したことがきっかけとなって、はやぶさは自動的に着陸を中止しようとしたが、着陸寸前であったために既に姿勢をイトカワ表面に合わせていたため、そのまま自由落下をする形となってイトカワに着陸しました。計画でははやぶさはイトカワ表面にタッチダウンした際、サンプラーホーンというサンプル採取用機器の弾丸を発射することによって表面の物質を採取する予定でしたが、初回の着陸では弾丸は発射されませんでした。

2005年11月26日、はやぶさは二度目のイトカワ着陸を試みました。はやぶさは順調に航行し、予定通りイトカワにタッチダウンに成功し、イトカワからの離脱も行われましたが、二度目の着陸時もコンピューターのプログラムミスが原因で、サンプラーホーンの弾丸は発射されませんでした。

その後はやぶさは燃料漏れが原因で姿勢を大きく崩し、一時通信が途絶えるなど数多くの困難に見舞われながら、地球帰還も当初の予定の2007年から2010年6月になりましたが、2010年6月13日、無事に地球への帰還を果たしました。

 

はやぶさのその後

「はやぶさ」のプロジェクトが日本人に計り知れない大きなインパクトを与えたのは間違いありません。はやぶさの成功は閉塞感が漂っていた国民に希望の光をもたらしました。このはやぶさの後継プロジェクトは既にスタートしています。発表されている計画では、はやぶさの改良機「はやぶさ2」を2014年に打ち上げ、地球近傍小惑星に2018年に到着、2020年に帰還する計画が立っています。

はやぶさ2の基本設計は初代「はやぶさ」と同一ですが、「はやぶさ」の運用を通じて明らかになった問題点を改良したモデルとなる予定です。2012年4月からJAXAの事業への寄付金が受けつけられ、2013年2月末までに総額約3663万円が集まり、このうち約1922万円をはやぶさ2に使うことが決定しています。この寄付金により、はやぶさ2本体の底部に岩石採取確認用のカメラが1台追加装備されることになりました。

現在、探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから持ち帰ってきた微粒子は、東京・上野の国立科学博物館にて一般公開されています。

はやぶさの映画を見た後は、この数十マイクロメートルというとても小さい微粒子に寄せられた、とてつもない大きな夢を確認してみてはどうでしょうか?

 

映画の感想と、見どころの紹介はこちらのページでご覧頂けます。